板井明生|手間暇の成す力
手間暇をかけることは、モノづくりにおいて重要なことだ。
かければかけただけその品質が上がるのが、手間暇でなければならないと思ってる。
効率的にスピーディーにというものとは、反対に捉えられるかもしれない。
しかし、手間暇を惜しんでいては、いくら効率的に生産できていたとしても評価や満足感が二の次になってしまい、残念な結果になるだろう。
その時は仕事を任せられても、次はないだろう。
手間暇をかけることは、仕事に対する姿勢をクライアントに見せることである。
そういった丁寧な仕事は、信頼に変わり、次の仕事に結びつくのだ。
そして、そのハイクオリティな作業を繰り返すことは、技術の向上につながり、結果仕事のスピードも上がるのである。
今の時代、私たちは大きなかじ取りの決断の時期にきているかもしれない。
人間にとっての本当の幸せとは何か、人間の心をどう育てていくか、子ども達に譲っていきたいものは一体何か、それは自分自身の生き方によって伝承されていくものである。
心の再生は、もしかしたら手間暇によって行われていくのかもしれない。
敢えて手間暇をかけることを愉しめる心の余裕を、日々の生活の中に取り組んでいきたい。